スワロが映画を見た

スワロが見た映画について感想を書いていきます。
劇場映画、DVD、新作、旧作問わず映画のレビューを書きます。
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原題:TOKYO
製作年度:2008年
製作国:フランス/日本/韓国
上映時間:110分

【インテリア・デザイン】
監督・脚本:ミシェル・ゴンドリー
出演:藤谷文子/加瀬亮/大森南朋/妻夫木聡/伊藤歩

あらすじ:
駆け出しの映画監督の恋人アキラ(加瀬)と一緒に東京へ出てきたヒロコ(藤谷)。アパートが見つかるまで友人ヒロコ(伊藤)の部屋に泊めてもらうことになった。翌日、2人はアパートとアルバイト探しに奔走するのだった・・・

【メルド】
監督・脚本:レオス・カラックス
出演:ドゥニ・ラヴァン/ジャン=フランソワ・バルメール/石橋蓮司/北見敏之
あらすじ:
マンホールから突如現れ、街ゆく人々に危害を加えまたマンホールへと消える謎の男。"下水道の怪人”と名付けられたその男は、ある日、渋谷の歩道橋から手榴弾を次々と投げ放ち、世間を震撼させた・・・

【シェイキング東京】
監督・脚本:ポン・ジュノ
出演:香川照之/蒼井優/竹中直人/荒川良々
あらすじ:
トイレで居眠りし、立ったまま食事をし、TVを見ずに読書をしてすごす。男(香川)は10年間一度も家からです何でもデリバリーで済ませていた。そして土曜の昼は必ずピザを注文する。ある土曜の昼、デリバリーのピザを受け取った瞬間大きな地震が起きた・・・
感想:
3人の監督で作りあげたオムニバス映画。
それぞれの監督が見た東京はユニークでシュール。
今、東京は「TOKYO」として世界でもホットな街として注目されている。
オタクをはじめとするサブカルチャーが発展する一方、
昔ながらの伝統もいまだ息づいている。
新旧が混在する街は世界中の人々を魅了し、時には恰好のマーケットともなる。
急速なスピードで変化を遂げるTOKYOは、
新旧だけでなく、善も悪も光も闇も富も貧も存在する。
世界の映画監督がそんなTOKYOを見たら一体、どんなふうに映るのだろうか。


【インテリア・デザイナー】
便利だけど住みにくい街、東京。
足早で歩く人ごみの中、目もとまらぬスピードで進む社会の中、
自分の居場所を確保するのは難しい。
ヒロコもとりあえず東京に出てきたはいいが、
やはり自分の居場所を見つけることができずにいた。
そして、東京に順応しつつある妙な彼氏の横で彼女は疎外感を感じ始めていた。

「何となく東京に出たい」

それは田舎に住む者の多くが抱く希望であるが、目的を持たずに行くと街に飲まれる。
ヒロコは自分の意思を持たず、映画監督志望のアキラにくっついているだけ。

自分自身の存在意義が見出せないという現代病。
そして彼女は・・・全く奇妙な形で自分の居場所を見つける。
ものすごくシュールだ。
彼女の存在意義は「えっ?」って思う。

ファンタジックなのに現実味も感じるゴンドリーの世界。
しかし、ヒロコの存在意義はあくまでも受け身的なものであった。
結局は環境に飲まれることに甘んじてしまったのだ。
これはヒロコだけの問題ではなく、普遍的な問題なのだ。


【メルド】
あぁ、この作品もとてもシュールだった。
メルドはまさしく現代の日本社会における犯罪の象徴だ。

近年は無差別で凶悪な犯罪が非常に増えているように思う。
しかもその理由は自己中心的なものである。
あるいは精神的な問題を抱えている人の犯罪も見られる。

突如平穏を乱す驚異。
渋谷が血の海となる。
今はもう、それが外国人の戯言だといえる時代でない。
『ダークナイト』のジョーカー的存在の人間はもはやフィクションではないのだ。

しかし、もっとも興味深かったのがメルドに対するデモ行進のシーンだ。
日本はあまり感情を表に現す民族ではないので
あのような大規模なデモ行進が行われるのは稀であろうが、
「メルドをつるせ!」という過激派だけでなく彼を神のように崇める擁護派の出現は面白い。
オウム真理教の教祖と同様だ。
人々は悪の中にさえも何かしらのカリスマ性、神秘性を見出して崇めることもできる。
そんな人間のおかしな点も見事に付いていた。


【シェイキング東京】
前2作とは少々作風が異なる本作。
やはりシュールな一面も持ち合わせているのだが、どこかさわやかさも感じる。

これも現代病である「ひきこもり」。
ヒッキーなどという略語もある位現代社会にしみついている。
人と人との触れ合いが希薄な大都市。
そして、電話やネットで事足りてしまう便利な社会。
男は光のあたる社会で苦い経験をしたのだろうか。
鬱々とした自分の家に安寧を見つけ人との接触を拒んできた。

孤独こそが安全。
単調こそが安らぎ。

大きな問題点を突きつつも、静かなこの作品は胸に沁みる。
あぁ、人間っていったいどこに向かっているのだろうか。
出口のない世界を迷走している。
本当は人と触れ合いたいのにそれができずにいるのだろうか?
それとも本当に孤独でいることが安心なのか?
もう答えなんてわからない。

玄関の光と闇。
男の内と外を決める境界線。
彼が外に出ようと決心したその日。
白い靴に白いシャツ。
真っ白の光がどこか幻想的だ。
額に汗し、ひたすら彼女を探し走り回る男はとても人間味にあふれている。

対照的に人っ子ひとりいない街。
人も車もない渋谷のスクランブル交差点なんて初めて見た。
無人の東京は・・・東京ではない。

人間に変化をもたらす一瞬。
それはきっと待っていて訪れるものではなく、自ら探し求めるものなんだろうなぁ。

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3作見終えて、まったく違うようでどこか似通った作品だと思った。
3人の監督が見た東京はTOKYO。
表面に見える煌びやかで華やかなイメージとは程遠い。
TOKYOという都市の内側を見事にそしてスタイリッシュに表現した作品だ。

スワロ的評価:★★★★






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スワロちゃん
TBコメントありがとうー^^

なかなかの高得点!
それぞれの監督が捉えた日本っていうのがみどころで
シュールな感じでしたね☆
ゴンドリーのもとっても らしい し。

メルド なんかは ほんとはコメディなんだろうけどちょっとわかりにく部分もあって素直に笑えなかったんだけど、、、
最近来日する監督さんが皆、日本を舞台に撮りたいってよく言ってるのよね、
なんかその気持ちわかるなー
日本(東京)って刺激的で面白いもん(笑)

2008.09.07 21:15 URL | mig #JTxNwRAU [ 編集 ]

スワロ隊員!こんなミニシアター系の映画!また東京に戻ったの?さすがです!

私は上京した時に映画を観る際に、「ああ、この予告編の映画がかかる時には東京にいないだろうな・・・」と感じて涙を流しています。(大袈裟)

2008.09.08 20:08 URL | ぷくちゃん #- [ 編集 ]

migwさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!

>なかなかの高得点!
見ている最中は正直「★3つくらいかなぁ~」なんて思っていたんです。
どのエピソードもそれなりに面白かったんですけど、
そこまで「面白い作品」という印象は受けなくて・・・

でも、あとからジワジワと来ましたね(笑)
どれも日本の現状をコミカルに、シュールにデフォルメされて描かれていて。
ものすごぉ~くメッセージ性の強い作品だなぁと感じました。
そうしたらなんだか自分の中でランキングがあがって(笑)

東京。
スワロが見ても面白い街だと思いますもん。
エネルギッシュでものすごく個性的ですよね。
世界の大都市と比べても東京のような個性をもった街って考えつきません。

  from swallow tail

2008.09.08 22:33 URL | mig さんへ #- [ 編集 ]

ぷく隊員、こんばんは。
コメントありがとうございます!

>また東京に戻ったの?さすがです!
いえ、全然さすがではないです。
戻ったのではなく、単に行ってきただけです(苦)
向こうでチョイチョイ用事があり、
時間があるとこちらでは見られない作品を見ているんです。
先日も時間があったのでこの作品を見てきました!

でも、こっちにも結構単館系が来るんですね!
今日、また映画館へ行ってきたのですが
上映予定作品を見ると『靖国』とか『屋敷女』とか
結構ストライクゾーンの狭そうな作品が挙がっていました。
『アイゼンハイム』もう一回見ちゃおうかなぁ~。

というわけで、スワロはしっかりこの街にいますよ!!
すっかり地元が馴染んできてしまいました(苦)

  from swallow tail

2008.09.08 22:47 URL | ぷくちゃん さんへ #- [ 編集 ]

三本ともファンタジーなんですよね~。
そういう括りがあったわけではなさそうだし、外国人が見ると東京って不思議の国なのかあという視点が面白かったです。
まあ東京在住の日本人からみても、たまに同じ街とは思えなくなる事がありますけど。

2008.09.08 23:41 URL | ノラネコ #xHucOE.I [ 編集 ]

ノラネコさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!

>三本ともファンタジーなんですよね~。
おおっ。
そうだった・・・
作品の世界があまりにもシュールでファンタジーだということを忘れていた・・・(汗)
ファンタジーと呼ぶにはちょっとシュールすぎますねぇ~。
まぁ、幻想であることは確かですが、
キラキラする眩い幻想ではありませんでしたしね。

>外国人が見ると東京って不思議の国なのかあという視点が面白かったです。
スワロが見ても不思議の国です(笑)
変化が激しいんですよね。
とってもコンテンポラリーな空間なんですよ、東京って。
それだけに田舎者のスワロは東京に対するあこがれもあったんですよね~(苦)

  from swallow tail

2008.09.09 16:08 URL | ノラネコ さんへ #- [ 編集 ]

スワロさんこんばんは。

ホントにシュールな作品群でしたね。
シュールすぎてすぐには感想かけませんでした(汗)
メルドなんかは、監督は日本のことをよく知ってるなあと感心してしまいました。まさにオウム真理教的な描き方でしたね。

2008.09.10 02:00 URL | カオリ #LkZag.iM [ 編集 ]

カオリさん、おはようございます。
はじめまして・・・でしょうか。
ご訪問&コメントありがとうございます!

>シュールすぎてすぐには感想かけませんでした(汗)
あはは(笑)
この作品、メッセージ性が強いだけあって
時間の経過とともに理解が深まるんですよね。
スワロも最初はうぅ~んって思っていましたが
いざ記事を書こうとしたらアレコレと思いが浮かんできました。
結局、見終わった直後よりも評価が高くなりましたね。

オウムの事件はきっと海外でも高い注目を集めたと思います。
海外は日本よりも信仰が厚いですし、
信仰心が薄い日本人を信仰の力で間違った方向へ先導したというのは
衝撃的だったと思います。
海外でも胡散臭い新興宗教がいっぱいありますからね。
メルドもまた現代日本の象徴でしたね。

  from swallow tail

2008.09.10 06:46 URL | カオリ さんへ #- [ 編集 ]

スワロさーん、こんばんわ。
今日も東京は忙しそうです。
とりあえず明日は「H&M」なる洋服屋さんが日本初上陸だそうで。
ZARAより安いそうで、ユニクロにも負けてないとか。
ってことで、多分半端ない異常な人ごみの中買い物しに行く予定です。

この作品苦手でした。
なんだかこのシュールさに付いていけなかったです。
んでも東京って舞台だけで、こんな映画が出来るんですよね。
海外に住んでいる人は、どんな気持ちでこの映画を観たのかしら?
こっちからしてみれば、「コレ東京なの?」って思っちゃうくらいなんですけどね。
ちょっと違和感がありました。

2008.09.12 21:40 URL | ななな #- [ 編集 ]

なななちゃん、こんにちは。
H&M、TVで見たよ~!!
朝から長蛇の列ですごい大盛況だったそうで・・・
その中、ななな行ってきたの・・・??
TVで見た限りだとZARAよりもうちょっとシンプルでいい感じ。
スワロ、明日東京へ行くから寄ってみようかなぁなんて考えたんだけど
きっとまだまだスゴイ人だよね。

なななはこの作品駄目だったんだ・・・
うん、なななのツボではなさそうだよね。
スワロはこういう世界、結構好きだなぁ~。

>こっちからしてみれば、「コレ東京なの?」
>って思っちゃうくらいなんですけどね。
ああ、そうかも!
東京に住んで慣れている人は客観的に「東京」を見るのが難しいかもね。
スワロは東京人ではないので、ヒロコにしてもメルドにしても
そんなに現実とかい離しすぎていることがないように思えたな。
ななな、アレはまちがいなく東京よ!

  from swallow tail

2008.09.14 13:46 URL | ななな さんへ #- [ 編集 ]













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