スワロが映画を見た

スワロが見た映画について感想を書いていきます。
劇場映画、DVD、新作、旧作問わず映画のレビューを書きます。
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原題:NIGHTWATCHING
製作年度:2007年
製作国:カナダ/ポーランド/オランダ/イギリス/フランス/ドイツ
上映時間:139分

監督:ピーター・グリーナウェイ
原作:――
脚本;ピーター・グリーナウェイ
出演:マーティン・フリーマン/エヴァ・バーシッスル/ジョディ・メイ/エミリー・ホームズ
    ナタリー・ブレス/トビー・ジョーンズ/

あらすじ:
1641年、オランダ。市民が社会を動かすほどの強大な力を持っていたその街で、画家のレンブラント(フリーマン)は35歳にして人生の絶頂期にいた。肖像画家として人気を博していたレンブラントは、画商でもあり妻でもあるサスキア(バーシッスル)との間に子供を授かり幸せに暮らしていた。翌年、レンブラントはアムステルダムの市警団から集団肖像画を依頼される。最初は乗り気ではなかったが、家族のためにお金が必要だと渋々承諾する・・・
感想:
まるで絵画のような作品。

レンブラントはルネッサンス以降に登場した有名な画家である。
が、お恥ずかしながらスワロはレンブラントのことをまったく知らなかった。
あの有名な「夜警」ももしかしたら世界史の歴史資料で目にしたことがあったかもしれないが
まったく記憶に残っていない(恥)。

レンブラントの絵の特徴は「レンブラント・ライト」と呼ばれる光の使い方であるという。
斜め上方から光を当てて明暗を使い分けることにより、
絵に動性や物語性を与えるという手法だ。
そして、この映画自体が明暗を巧みに使った
絵画のような、舞台のような作りになっているのだ。

正直に言うと、とても難しい映画だった。
謎多き登場人物やスピーディーな展開。
頭を整理し終える前に新たな謎が出現し、
スワロの頭でレンブラントの人生を描くにはキャンパスが小さすぎるようだ。

最初のシーンを見たら劇中劇なのかと思った。
遠めに部屋全体を捉えるアングルで観客は臨場感を抑えられ、
第三者的に、超客観的にストーリーを見つめることになる。
また、ところどころ出てくる台詞がどこか芝居がかっておりなおさら客観的に映る。
その他にもシーンが切り替わる前に画面が暗転したり、
同じセットの中でのシーンの長さや、シーンごとのセットの切り替えなどは舞台的だ。
その構成は非常にうまかったと思う。

そして、闇と光も非常に巧みに使われている。
単に照明というよりは闇は闇、光は光としてひとつのツールのように意味がある。
闇の象徴である、嘘、陰謀、悪は暗闇の中ひっそりと、
光の象徴である、正義、愛、善は光の中で堂々と演じられている。
それはまるでレンブラントの絵画そのものだ。

自警団員の悪事や虚構を告発すべく絵画に忍ばせた「自警」。
隊長、副隊長、少女にだけ当てられた光。
整然としていない他の団員たち。
見れば見るほど不思議で謎めいている。
「画家の武器は絵筆」
銃や剣よりもはるかに恐ろしく鋭い武器を手にしたレンブラント。

しかし、彼の人生も彼の絵画と同様にドラマチックなのだ。
芸術家にスキャンダルはつきものだ。
女性に怠惰な芸術家も数え切れないほどいるだろう。

愛に飢え、愛を求め続けた彼の生涯。
どの女性と一緒になっても「唯一の愛」を見つけられない苦しみ。
時折差し込む光(愛)をたどっても彼は結局闇(苦)に戻ってしまう。

「愚か者よ、目を開けろ」

自身に吐きかける言葉。
同時に観客の胸に鋭く突き刺さる刃物のよう・・・
しかし、愚行は後になってから気づくことであり、
目を開けるには気づくのが遅すぎた。

芸術家たちは自身の作品でさまざまな自己主張をする。
ちょっとした遊びや風刺を絵に書き込んだりし、
それが未だに解明できない謎として今日に至る作品も多い。
レンブラントの絵画も同様だ。
そして彼の人生もまた、その絵画のようにドラマチックで
彼以外には解明できない謎がちりばめられた人生なのだ。

スワロ的評価:★★★★





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swallow tailさんコメントありがとう
DVDが出ましたか。
僕は絵が好きなので、映像は楽しめましたよ。その意味では劇場の大スクリーンが良かったですね。
ツボが刺激されなかったのは、予告編などで期待しすぎたからかもしれません。
おっしゃる通り、愛憎劇の描き方が淡白でしたよね。

2008.08.24 19:37 URL | ケント #neBEUUqk [ 編集 ]

こんばんはー。
そうそう、この映画自体が絵画的でしたね。
私も劇中劇?って最初は思いましたよ;
その後もどことなくお芝居を見てるような雰囲気で。。。
絵を鑑賞するって以前の私にはちょっと身構えてしまう時もありました。
抽象的な絵など特に理解不能だったりして、どうして本質がわからないの??って描いた画家の魂に叱られてる気分にもなりつつ、やっぱりわからん;と首を捻ってる私なのでしたー;うぅ


2008.08.24 23:46 URL | シャーロット #gM6YF5sA [ 編集 ]

TB・コメント有難うございました。
フラットな画面と凝った色彩、よく練られた配置、当時を十二分に考察したであろう衣装など、力作だとは感じるものの、このメリハリのなさは、観客には睡魔と闘うはめになったと思われます。
エロティックで不道徳な雰囲気は、醸し出されているのですが、よく吟味された映像のみに感心が行ってしまい、動く絵画をただ見ていたような気分にさせられてしまいました。
光の魔術師と言われたレンブラントを、映像の魔術師グリーナウェイが描くという事以外の目的は見出せず、本人の好奇心だけが滑ってしまった感じがしましたね。

2008.08.26 15:36 URL | パピのママ #B6JN6yYQ [ 編集 ]

ケントさん、こちらにもコメントありがとうございます!

おおぅ。
ケントさんは絵がお好きなのですか!
芸術に興味があるというのはいいことですよね。
視野が広くなります。

予告編は最近の悪さをそのまんま取り入れてしまった感じでしたね。
いいとこ取りというか、よく見せすぎというか・・・
本編をきちんと反映していなかったことは確かです。
それをみちゃうと・・・ちょっと本編がちゃちく見えてしまいました。
予告編をもっとうまく作っていたら本編の感想も変わっていたかもしれませんね。

  from swallow tail

2008.08.26 19:32 URL | ケント さんへ #- [ 編集 ]

シャーロットさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!

>絵を鑑賞するって以前の私にはちょっと身構えてしまう時もありました。
スワロは今も身構えちゃいますよ。
芸術って本当はもっと身近なものであってもいいのだろうけど
どうしてもブルジョワジーなイメージで敷居が高い・・・

>どうして本質がわからないの??って描いた画家の魂に叱られてる気分にもなりつつ
いやいや。
そこが芸術たる所以じゃないでしょうか。
芸術家はストレートに表現しないでとても抽象的だったりします。
そのイメージは画家本人の主観に基づいたもので
万人には理解しがたいものもあると思うんですよ。
過去の画家の作品だと真実など証明できない。
そうやってあれやこれやと考えるのも楽しみですよね。

もしかしたら理解などしなくてもよいのかもしれませんね。

  from swallow tail

2008.08.26 19:38 URL | シャーロット さんへ #- [ 編集 ]

パピのママさん、おはようございます。
コメントありがとうございます!
お返事が遅くなって大変申し訳ないです・・・

>このメリハリのなさは、観客には睡魔と闘うはめになったと思われます。
はは(笑)
スワロは睡魔とは出会いませんでしたが、やはり淡白な内容に退屈を覚えました。
芸術的要素はあんなに秀でているのに、
映画としてのストーリー性が今一つでしたね~。
ちょぴり残念なとところです。

>動く絵画をただ見ていたような気分にさせられてしまいました。
なるほどっ!
的確な表現ですね。
作品のどの時点で制止させても一枚の絵画になるかも知れないほど
画的には良かったんですよね~
あーそういえば、3D美術館みたいなのがあったなぁ~
あれ、どうなったんだろう・・・

  from swallow tail

2008.08.29 06:35 URL | パピのママ さんへ #- [ 編集 ]













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レンブラントの夜警
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