スワロが映画を見た

スワロが見た映画について感想を書いていきます。
劇場映画、DVD、新作、旧作問わず映画のレビューを書きます。
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原題:LA SCONOSCIUTA/THE UNKNOWN WOMAN
製作年度:2006年
製作国:イタリア
上映時間:121分

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
原作:――
脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ/マッシモ・デ・リタ
出演:クセニア・ラパポルト/ミケーレ・プラチド/クラウディア・ジェリー/クララ・ドッセーナ
    ピエラ・デッリ・エスポスティ/ピエル・フランチェスコ・ファヴィーノ

あらすじ:
北イタリアに引っ越してきたイレーナ(ラパポルト)。彼女が決めた部屋はとある高級アパートが見える部屋だった。そして彼女が見つけた仕事はその目の前のアパートの掃除婦。やがて誠実に仕事をする彼女と親しくなったのはアパートに住むアダケル家の家政婦として働くジーナだ。一緒に食事や映画を見る中になったイレーナは徐々に奇妙な行動を見せ始める・・・

感想:
謎だらけで奥深い作品。

下着姿の仮面をつけた女性のオーディションという衝撃的なシーンで幕を開けた本作。
そのシーンを見たとき、一体物語はどこへ進むのだろうか?
と疑問を抱かずにはいられなかった。
そして、これがあのジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品なのだろうか・・・と。

ふとすると時は現在に戻り、
イタリアで職探しをするイレーナという女性のエピソードに代わる。
寡黙で謎めいているイレーナ。
彼女は何を考えているのか?
彼女の行動の意味は?
疑問ばかりが頭をよぎりなかなか全体像を把握できないままにストーリーは淡々と、
そしてダークな色味を帯びて進んでいく。
全体的に灰色の映像は鬱々とした印象を強く与える。

時々、フラッシュバックされるイレーナの過去。
その過去はあまりにも悲惨で忌まわしいものだった。
売り物としての女性性。
男性の慰み物でしかない身体。
人身売買やマフィアによる女性への売春強要は
現在でももちろん実在する悪事である。
そして、その呪縛に一度でもつかまったら決して逃れることができないのだ。
イレーナもその犠牲者であった。

人目を忍んで生活するイレーナ。
アダケル夫人との間に芽生えた信頼感。
そしてテアに感じる愛情。
イレーナの正体が徐々に明かされる。

イレーナがテアに向ける愛情は非常に厳しいものだった。
これは虐待や暴力なのでは?と感じるほどの厳しさ。
でもそれは彼女が本当に伝えたかった愛情であり決して暴力なのでなはい。
ひとりの女性として生きなければならない強さ。
叩かれたら叩き返し、負けても起き上がる強さが必要なのだと。
彼女は自分の人生を回顧して
生きていくためには何よりも強さが必要なのだと伝えたかったのだ。
彼女の厳しい母性には胸が苦しくなるほどだった。

母親というものは子どもを抱きしめて優しい言葉をかけるだけの愛情ではなく、
厳しさも備えた愛情も必要とする・・・
まだ母親ではないスワロは、そんな単純なことを改めて実感したのだ。

“強さ”が必要なのは女性が弱い社会にあるからではなく、万国共通だ。
社会生活を営むにおいて、“強さ・したたかさ”は必要なものであると、
メンタル弱めのスワロは常に感じている。

物語はイレーナを追跡する謎の人物の登場により徐々に進展を見せる。
そして、前半に張られていた伏線とイレーナの過去がやがて合致した時に
観客はやっと彼女の全体像をつかめることになるのだ。
それは非常に巧妙に作られたストーリーだ。

このストーリーは感動作というわけではない。
静かに重くこころにのしかかる作品だ。

スワロ的評価;★★★






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スワロさん、こんにちは^^
お暑うごじゃりまする(笑)
2日ほど大磯ロングビーチで干物になっていました(汗) 日焼け止めをタップリ塗っても焼けました、はい(笑)
ベルッチ、ご本人を見たことがありますがエキゾチックナお顔とダイナマイトでキュートなボディで美味しゅうございました(←おいっ)
彼女の執着心は凄いものがありましたが、ベルバトーレの作風の一風変則的な作品が、彼女のねじれたようでねじれない愛情を上手く表現できていたように思います。

ちなみに今夜は「かに道楽」でございます^^ 盆休みも思いっきり飲み食いに励んでおる中年オヤジは元気ですっ!
スワロはん、暑気払いしまひょか(笑)?

2008.08.15 09:43 URL | cyaz #ID9gmbWk [ 編集 ]

cyazさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!

>2日ほど大磯ロングビーチで干物になっていました(汗) 
>日焼け止めをタップリ塗っても焼けました、はい(笑)
ほほぅ~それは優雅ですな。
でも日焼け止めってビーチやプールなどでギラギラ太陽に当たると
全く効果がないですよね。
そしてその後の肌の痛みといったら悶絶ですよね。
子どものころは日焼け止めなんて塗りませんでしたから
スワロも相当いたい思いをした経験があります。
えー、最近は水の戯れとは疎遠ですな。
ちなみに、現在はデコルテに日焼け止めを塗らずに過ごしていたため
襟ぐり状にこんがりネックになっています(涙)

>ちなみに今夜は「かに道楽」でございます^^ 
>盆休みも思いっきり飲み食いに励んでおる中年オヤジは元気ですっ!
いいなー・・・
スワロは昨日は一人酒ですよ・・・(寂)
缶酎ハイ片手に、オバーチャンの作った煮物をつまんでいました。

cyazさん、ぜひ一緒に暑気払いしましょう!!
ぜひ実現させましょう!!

  from swallow tail

2008.08.15 10:24 URL | cyaz さんへ #- [ 編集 ]

ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、ある新聞記事に目が止まったことからこの作品に至ったのでしたか?
このような現状がまだあると言うのもちょっと驚きです。

テアちゃん、お人形さんみたいな子でしたね。
大きくなっても面影があって、ラストの再会は静かだけど救われた感じがしました。

母親の愛って深いのよね。
厳しさの中には必ず愛情がある…
親の方もそんな育て方(躾)をしないとね。

2008.08.15 11:57 URL | オリーブリー #ZJmJft5I [ 編集 ]

こんにちは!
お盆はいかがお過ごしでしょうか~
しかし、毎日暑くて涼しくなるんかい?とやけ起こしそう^^;

トルナトーレ監督らしくないサスペンスものでしたが
ラストはいつもの監督らしくて幸せな気分になりましたよ。
涙が出ました。
母性が主題の映画だとは知らなかったので、男性監督というのも驚き。

2008.08.15 16:46 URL | アイマック #- [ 編集 ]

こんばんは。ご無沙汰です;
実生活でもネット上でも怠慢な私;
なんたってこの暑さ。もうへろへろでして。でもばばばバレエ部活は(爆)なぜか気合いが入ってて。。。映画がなんか後手後手ですぅ。。これでも高校時代は映画研究部だったりした。笑
ところで。
この頃の親は私も含めて親になりきれてない人が多く、母性とか父性をかなり間違えたとらえ方をしてる人が多いんだと思いますです;
厳しくするって事は、それ以上に愛がなければできる事ではないんですよね。
でも、、、愛を示すことなく厳しいだけの親がなんと多いことか。子供はあっぷあっぷしちゃってるんでしょーな。私の反抗期は結構長く続いたし、今でも両親とは葛藤がたくさんあります。でも、自分が親となってみた今は両親の気持ちもなんかとっても理解できるんですね。子育ては楽じゃないっすよ、とほほ;
子供を愛せない母たちも意外にたくさんいるし、私も我が子を小憎らしいーと思う事は多々あったりしますもん;
でもやはり女性は弱い立場にあるものを「守る」ようにできてるのかもしれませんね。
それは自分があまりにも弱いとどこか知ってるからだとも思えます。
だから強くなれるのかどうなのか…実際男性より女性の方がたくましいっすよね。
・・・ってなわけで、スワロさんがたくましく強く生き抜いてくれる事を期待します。v-217v-91
*注 ムキムキになれってことではありませぬぅ;爆

2008.08.15 22:34 URL | シャーロット #aXSDNASw [ 編集 ]

オリーブリーさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
お返事が遅くなってしまって申し訳ないです・・・

この話、監督が新聞記事から着想を得たそうですね。
実際にこのようなことが、
今スワロがネットを楽しんでいる時にも起こっているのだと思うと
なんだか切ない思いを感じます。

ラストの再会のシーンはじんわりきましたね。
少し戸惑いながらもお互い穏やかな笑顔で・・・
2人は強い情で結ばれていたのですね。

母性って・・・子どもを愛する気持ちって
母親になったら自然と備わるのでしょうか?
子どもの成長とともに一緒に育まれていくのでしょうか?
スワロは・・・あまり子どもが好きではないこともあって
「母親になる」ということがものすごく遠いことに感じます。

  from swallow tail

2008.08.18 17:27 URL | オリーブリー さんへ #- [ 編集 ]

アイマックさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!

お返事が遅くなってしまって申し訳ないです!!
お盆は・・・実家に帰っていました。
なんせ実家はインターネット環境がなくて(苦)
毎日暑いですけど、今日は比較的涼しいような・・・
昨日は寒すぎましたね(苦笑)

やはりアイマックさんもラストシーンにじんわりきましたか。
穏やかなシーンでしたよね。
テアがゆっくりと近づいてくる様子は
2人の気持ちが一つになっていくようでとても温かかったです。
あの作品で唯一ホッとしたシーンでしょうか。

>母性が主題の映画だとは知らなかったので、男性監督というのも驚き。
トルナトーレ監督の描く母性はとても厳しいものでしたね。
スワロも「サスペンス」としか知らなかったので
こういう展開には少々驚きました。
特にテアに立ち上がることを教えているシーンは驚愕でした・・・

  from swallow tail

2008.08.18 17:34 URL | アイマック さんへ #- [ 編集 ]

シャーロットさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!

>これでも高校時代は映画研究部だったりした。笑
ええー!!
そうだったんですね。
キャリア組だ・・・(笑)
>夏といえばバレエ
・・・そうか・・・??
バレエは冬じゃ??
でも、それは単に「くるみ割り」のせいですよね。
スワロは舞台の方が疎遠になっていまして。
先日、実家に戻ったのですが、バレエ漫画「アラベスク」を読み返しました。
あー、バレエはいいなー。

>厳しくするって事は、それ以上に愛がなければできる事ではないんですよね。
同感です。
優しさ=愛、親切ではないし、厳しさ=愛も単純には成り立たない。
優しさと厳しさの適度なバランスがあってこそでしょうし。

>私も我が子を小憎らしいーと思う事は多々あったりしますもん;
いや、この「小憎らしい」という感覚は大事かもしれませんよ!
「憎らしい」ではなく「小憎らしい」。
小憎らしいには「憎いけど気になる存在」みたいな感じがあるし。

スワロは・・・本当、たくましくないんですよ・・・(涙)
本当、ダメなくらい逞しさがないんですよ。
体力的には結構イイ線いっていると思うんですけどね~(笑)
なんせメンタルが超弱くて。

  from swallow tail

2008.08.18 17:48 URL | シャーロット さんへ #- [ 編集 ]













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