スワロが映画を見た

スワロが見た映画について感想を書いていきます。
劇場映画、DVD、新作、旧作問わず映画のレビューを書きます。
コメント・トラックバック大歓迎。みなさまの積極的な絡みをお待ちしております。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
ファーストフード・ネイション

原題:FAST FOOD NATION
製作年度:2006年
製作国:アメリカ/イギリス
上映時間:108分
配給:トランスフォーマー

監督:リチャード・リンクレイター
原作:エリック・シュローサー
脚本:リチャード・リンクレイター/エリックシュローサー
出演:グレッグ・キニア/イーサン・ホーク/パトリシア・アークエット
    カタリーナ・サンディノ・モレノ/クリス・クリストファーソン/ポール・ダノ
    アシュレイ・ジョンソン/アナ・クラウディア・タランコン/アヴリル・ラヴィーン

あらすじ:
ドン(キニア)はカリフォルニア州アナハイムにあるミッキーズ・バーガー本社のマーケティング部長。主力商品であるビッグ・ワンの売り上げが好調で社内は明るいムード。しかし、社長はテキサスの店舗の肉パテから糞便性大腸菌が検出されたことに頭を悩ませ、ドンに実地調査を依頼する。契約工場であるテキサスのユニグローブ社の精肉工場へ視察へ訪れたドンは清潔で最新機器で管理された工場に安堵を覚えた。一方、工場では密入国したメキシコ人たちが低賃金の違法労働をしており、シルビア(モレノ)やココ(タランコン)もこの工場で働きだしすことになった・・・

感想:
こういう社会派ドラマの要素を含んだ作品は大好きで公開を楽しみにしていた作品。
ファーストフードについての作品といえば
モーガン・スパーロック監督の『スーパーサイズ・ミー』を思い出すところ。

しかし、本作の内容は食の安全、メキシコ人違法労働者、環境問題と
ファーストフード業界に限らず、いまや全世界の共通の問題に警鐘を鳴らしている。

正直、この作品を見て新しいものを得られた、ということはない。
巨大企業が悪事を働いていたり、密入国者が劣悪な環境で労働していたり、
シビアな環境問題が顕在化していることはすでに多くの人が知っているだろう。
そして、そういう事実を知りながらも何も行動に起こせなかったり、
見て見ぬふりをしたり、またはそうせざるを得なかったりするのが
多くの人に当てはまるのだろう。

糞便性大腸菌が自社の製品から検出されたミッキーズ・バーガー。
社長から視察を命じられて精肉工場へ訪れたドンは
工場の悪質な体制に「この事態を追求しなければ」と一度は正義に燃える。
しかし、副社長のハリーは「焼いちまえば大丈夫だ」と言い、
事実を知りながらも対処してこなかったことを明らかにする。
社長と副社長の板ばさみになるドン。
正義を取るか、安泰な生活を取るか・・・
ある意味「大人の選択」をする彼は愚かでも滑稽でもなく、
皮肉だが社会に最もありそうな決断だ。

一方、アグレッシブな選択をするのが高校生のアンバーだ。
自分が働く会社の契約農場から大量に排出される牛の糞便(汚染物質)。
確かに、ビックリするほどの量だった。
シビアな環境破壊の引き金となっていることを知った彼女は、
叔父のアグレッシブな助言もあり自ら行動を起こす。
柵を壊して牛を農場から開放することを思い出す。
自分が狭い社会から脱出したように、牛にも自由を与えたい・・・
そんな彼女の思いはすごく立派にも見えるし、単なる自己満足にも見える。
だが、アンバーの案は、非常に唐突で計画性がなく見通しがつかない。
若気の至り、というのだろうか。
動かない牛を見て計画が失敗だと気づき困惑するアンバーは、
自分の行動に付きまとう責任や
社会に対するモラルなどを感じるようになった自分には、いささか滑稽に見えた。

そして、密入国して精肉工場で働くメキシコ人たち。
彼らは過酷な条件・劣悪な環境で仕事をしている。
が、させられているのではなく、自ら希望して仕事しているのだ。
黙認するのが彼らのためか、辞めさせるのが彼らのためか。
「彼らにはおせっかい」。
1日でメキシコ1月分の給料を稼げる豊かな社会は、
彼らに劣悪な条件でも我慢させられるほどの威力があるんだろうなぁ。
告発しても彼らはメキシコに強制送還だろうし。
結局は見てみぬふりするしかないのだろうか。

と、この作品はどこかで見た風景がよくある。
密入国しようとメキシコの砂漠を歩き回る様子や
いくつかのパートで構成されているのは『バベル』のようだったし、
精肉工場での屠畜シーンは『いのちの食べかた』そのもの。
お隣の女性は相当驚いていたのか、手で顔を覆っていたようだ。

新しい所見や発見はなかったし、観賞前の期待が高かっただけにちょっと拍子抜けした。
こういう社会派・ドキュメンタリー(風)の作品ってやはり求めるものが高くなってしまう。
しかし、よく考えるとなかなか面白い。
希望的観測をもたせないラストも見るものに警鐘を鳴らしているように感じる。
観客に訴える力はあっただろう。


スワロ的評価:★★★





※※人気ブログランキングに参加しています※※
※※でもやっぱりファーストフード買っちゃうわと思った方、下をぽちっと※※

クリックお願いします
スポンサーサイト

スワロさん、こんにちは♪
コメントTBありがとうです。

リンクレイター作品なのでずっと公開楽しみにしてました☆
わたしもサイショは、ん?って感じで
思ったのと違うなぁ、、、、なんて思ってたのだけど
段々とこの作品はなかなかの秀作では。と思いました~。
毎度、作品のタイプが違うけど
それぞれ味のある映画を撮る監督ですね☆
いのちの食べ方は 淡々としすぎてて
ドキュメンタリーとしてはすごいのかもだけど観てて正直タイクツな部分もあったけど
こちらはやっぱりエンターテイメントしてる部分も大きかったですね。
それにしても、他国のことだと無関心でいられませんよねー、、、、

2008.02.25 11:58 URL | mig #- [ 編集 ]

スワロさん、こんばんは。
私も、これずっと楽しみにしていました。
確かに目新しさ、ということで言えば、特に皆結構前に聞いたことだと思います。
できるだけ考えたくないことは、皆目をつむって、見ないようにしようというのもあるかもしれませんね。

2008.02.25 18:03 URL | とらねこ #.zrSBkLk [ 編集 ]

migさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!

スワロ・・・リンクレイター作品って実は初めてなんです(照)
『ビフォア~』も『スクール~』も未見で。

やはり、この作品は後から良さが発揮されるみたいですね(笑)
ブルースが出てくるあたりからでしょうか?
思いっきり悪人のオーラが出まくっていていい感じでしたよね。
『いのちの食べかた』はガチでドキュメンタリーでしたね。
スワロは好きですけど、この作品の問題提起の仕方もなかなか良いです。
ストーリーがあるとまたわかりやすいし面白いし。

昼間も「日本で自給している食材と割合で鍋をしよう」
みたいなTV番組をやっていました・・・
笑い事にできないのが怖いですね・・・

  from swallow tail

2008.02.26 22:23 URL | mig さんへ #- [ 編集 ]

とらねこさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

>できるだけ考えたくないことは、皆目をつむって、
>見ないようにしようというのもあるかもしれませんね。
同感です。
実はこういうことって良くあることなんですよね。
自分もやっていることなので一概にそれが悪い、とは非難できませんが、
やはり「どこかで」「誰かが」声をあげないといけないんですよね。
ただ、「いつ」「誰が」そうするかが問題なのですが・・・
「大人の諸事情」その一言で片付けるにはあまりにもお粗末・・・
なんだか複雑な社会での身の置き方みたいなものも考えさせられる作品でした。

  from swallow tail


2008.02.26 22:29 URL | とらねこ さんへ #- [ 編集 ]

スワロさん、こんにちは。
コメントありがとうございました♪
スワロさんより随分遅れて、ようやく見てきましたよ。

確かに、この作品で新しい情報を得た…という事は無いですね。
それまでに得ていた知識を具体的に映像化してくれた、という感じでしょうか。

アンバーの行動には社会的な責任感とかが欠けていて、何だかな~と
思ったりもするんですが、一方ではその若さ故のパワーというか、
行動力そのものを尊いものにも感じています。
叔父さん役のイーサン・ホークと語らっている場面が好きでしたね~。

2008.06.02 13:34 URL | Nyaggy #- [ 編集 ]

Nyaggyさん、こんにちは。
コメント感謝です。

>アンバーの行動には社会的な責任感とかが欠けていて・・・
・・・その若さ故のパワーというか、行動力そのものを尊いものにも感じています。
おおぅ。
スワロ、だみだぁ~
思考回路がオバチャン化してきているのかしら(苦笑)
若いころってアクションを起こすことそのものに意味があるんですよね。
たとえその中身が希薄だろうと、結果が伴わなくとも。
文句だけイッチョマエに並べて、変化が起こるのを待ち続ける人がほとんど。
だからこそ、自分で実行する、ということはとても素晴らしいのですよね・・・
そういう素晴らしさを徐々に忘れつつあるスワロ・・・
年のせいだと片付けちゃいけないのよね。

  from swallow tail

2008.06.02 13:42 URL | Nyaggy さんへ #- [ 編集 ]

おはようございます!
DVDリリースされたので早速鑑賞しました。

お肉が苦手な私は、ラストの映像にはひっくりかえりましたよ。
目を手で覆いながら見てた。。
ちょっと退屈でもあったけど、後半は見応えはありました。
高校生の行動は、若いからできるアクションで大事なことだと思うな。
大人になると、社会の歯車に乗せられちゃうからね・・
ファーストフードだけでなく、見て見ぬフリはどこも同じね。
ウィリスは、存在感あったな~

『ビフォア~』『スクール~』私もすすめです!

2008.09.07 09:18 URL | アイマック #mQop/nM. [ 編集 ]

アイマックさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!

おおー、早速のご鑑賞!!スバラシイ。

>高校生の行動は、若いからできるアクションで大事なことだと思うな。
>大人になると、社会の歯車に乗せられちゃうからね・・
本当ですね・・・
「若さ」ってすごいエネルギーなんですよね。
若さゆえにできることもたくさんある。
でも、若い時は「今しかできない」という意識があまりなくって
気づいた時はもうエネルギーがなくなっていたり。

スワロは学校生活、主に部活中心というか部活しかしてない生活で・・・
周りに目を向けるなんてことなかったなぁ。
視野が狭い子どもだったのかも(苦)

>見て見ぬフリはどこも同じね。
全くその通りです!
厳しいシャバを経験してそれはすごく感じましたね(苦笑)

  from swallow tail

2008.09.07 20:33 URL | アイマック さんへ #- [ 編集 ]













管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://swallowtailchocolate.blog56.fc2.com/tb.php/273-e1e8b9b4

ファーストフード・ネイション /Fast Food Nation
ずーっと日本公開を待ってた リチャード・リンクレイター監督のこの映画、やっと公開!!{/kirakira/} これまでの彼の作品は {/hearts_red/}『ビフォアサンセット~恋人たちのディスタンス~』 {/hearts_red/}その続編『ビフォアサンライズ』 {/hearts_red/}『テープ』 ...

2008.02.25 11:58 | 我想一個人映画美的女人blog

28●ファーストフード・ネイション
以前、こんな記事まで書いて楽しみにしていた、大好きな監督のリチャード・リンクレイター。東京ではレイトショー扱い。こんな秀作に対して、酷くありませんか~。オーイ!

2008.02.25 17:57 | レザボアCATs

【2008-78】ファーストフード・ネイション(FAST FOOD NATION)
人気ブログランキングの順位は? 世の中には、 知らないほうが幸せなことが たくさんあるんだよ。

2008.04.03 22:33 | ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!

ファーストフード・ネイション
映画館で鑑賞しました。 結構期待してみにいきましたが…。 どうもあまり楽しめない。 一歩引いてみてしまいます。 外国映画で飲食店で働いてるこが 気に入らない客の料理につばを吐きかけるシーンが ありますが、この映画でも出てきました。 私は飲食店の店員...

2008.05.19 22:44 | 映画感想

ファーストフード・ネイション
監督:リチャード・リンクレイター 脚本:リチャード・リンクレイター エリック・シュローサー キャスト: グレッグ・キニア イーサン・...

2008.06.02 13:22 | And life goes on

ファーストフード・ネイション
Fast Food Nation(2006/アメリカ=イギリス)【DVD】 監督・脚本: リチャード・リンクレイター 出演:グレッグ・キニア/ポール・ダノ/クリス・クリストファーソン/パトリシア・アークエット/ウィルマー・バルデラマ/イーサン・ホーク/カタリーナ・サンディノ・モ

2008.09.07 08:41 | 小部屋日記

ファースト・フード・ネイション  FAST FOOD NATION
「食の安全」がこれほどまでに危機的状況に陥ったことがあったでしょうか? 製造年月日の改ざんに始まり、 産地偽造に、品質表示偽造、 中国産の毒(メタミドコス)入り餃子に三笠フーズのカビ・農薬汚染米の食用転売、 メラミン入り粉ミルクは対岸の火?日本は関係ないだ...

2008.09.28 23:16 | 映画の話でコーヒーブレイク

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。