スワロが映画を見た

スワロが見た映画について感想を書いていきます。
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朧の森に棲む鬼

原題:――
製作年度:2007年
製作国:日本
上映時間:177分

監督:江戸洋史
製作協力:劇団☆新感線
出演:市川染五郎(7代目)/阿部サダヲ/秋山菜津子/真木よう子/高田聖子/栗根まこと/小須田康人/田山涼成/古田新太

story:
いつとも知れぬ昔、どことも知れぬ島国。そこではエイアン国とオーエ国の間で戦が続いていた。口がうまく瞬時に嘘を仕立て上げることのできるライ(市川)は、腕っぷしの強い弟分のキンタ(阿部)と神々が棲むと言われる朧の森へとたどり着いた。キンタが戦い疲れて眠りにつくと、突然、ライの目の前にこの森の魔物たち、オボロが現れた。オボロたちはライの望み、この国の王になることをかなえようと言う・・・

ゲキ×シネ 朧の森に棲む鬼 公式HP
感想:
この映画は映画ではなく舞台です。
日本語がおかしいですけど、実は舞台(演劇)をデジタル撮影し、
音響や映像を整えて映画館で公開しているゲキ×シネという新しいジャンルの映画。
ゲキ×シネのサイトによると、
映画館でダイナミックな映像表現で見る演劇=<ゲキ×シネ>とされている。
生の舞台を見るのは敷居が高くて・・・という人たちにうってつけのエンターテイメントである。
 
本作品では劇団☆新感線と市川染五郎、そして松竹がタッグを組んでいる。

スワロは映画が好きだけど、生の舞台も好きだ。
お芝居はあまり見ないけど、ミュージカルは見に行くしバレエもごくたまに見る。
ゲキシネはデジタル撮影を施しているため
デジタルプロジェクターのある劇場でしか公開できないというが、
近所の劇場で公開していたため見に行ってきた。

映画のチケットは大人1800円。
お芝居だったらS席で10000~12000円程度が相場だろうか。
この作品は途中20分の休憩をはさんで3時間15分の上映で2500円(前売券2000円)。
うん、確かに手軽な料金で演劇を味わえる。
入門編としてはなかなかいいんじゃないだろうか。

ただ、やはり“生で見る醍醐味”は無い。
生きた舞台の空気はスクリーンでは感じられないので
お芝居が好きな人はいくら阿部サダヲや新感線のファンでも物足りなさは残るだろう。

まぁ、その違いは置いておいて、ストーリーはとっても良い!
すごく面白い作品だった。

タイトルの「鬼」が表す通り、この作品では人間のこころの闇の部分が一貫して描かれている。
ライという人間が鬼へと変貌していく様子が残酷なまでにも面白く描かれている。
ライに王になることと引き換えに自分の命を差し出すように言い渡すオボロたち。
オボロたちの取引に乗り、自分の口から出る嘘のように巧みに動く剣を手に入れたライ。
剣を手にしたライは・・・
冷酷で無慈悲。
欲求を優先し義理や人情を顧みない。
まさしく鬼だ。
敵味方関係なく、嘘で自分を偽り相手を欺く。
これが面白いようにうまくいく。
ついに弟のように可愛がっていたキンタまでも犠牲になったとき、
そこには半分鬼と化した人間がいた。
目をむき出し、表情の強張ったライに背筋が凍る思いだった。

ライは極悪非道な人間になってしまったのではない。
鬼へと変貌してしまったのだ。

「この世のどこに正義があるのかな」

人間、だれでも悪の要素を持っている――
この作品はそういうことを言っている。
性善説とか性悪説とかそういう話もしばしばされるけど、
いずれにしろ人間は“欲”や“憎”など「悪」の部分も兼ね備えている。
わかったような振りして言えば、
「悪」の部分が人間らしさにアクセントを与えているのかも知れない。
優しさや誠実さにあふれた聖人君子のような人に対して時折いやみを感じたり
ちょっとした妬みや野心が垣間見えた時にちょっと安心したりする感じ、ない?
(・・・スワロだけ?わたしってイヤなヤツかしら・・・??)
本作の場合、垣間見えるどころか全貌が見えているんだけれども
鬼と化したライに対して、ものすごく恐ろしいとは感じない。
ライを見てちょっとした恐怖は感じるんだけれども、
それはなんとなく自分の本性を見透かされてしまったという気持ちからかもしれない。

役者も舞台俳優がほとんどなので安心してみていられる。
歌舞伎の世界で培われた演技力・存在感を遺憾なく発揮している市川染五郎に圧倒された。
口調が歌舞伎調なのが慣れていないスワロには気になったけど、
“王になりたい”という の欲深い言動にいちいち真実味を帯びさせている。
阿部サダヲは子年生まれかのような
ちょこまか落ち着きないお馬鹿キャラが本当に良く似合っていて、
これもまた笑いを交えて安心してみていられる。

そうそう、本作はシュールなストーリー軸の割にはかなりのお笑いポイントがあって
ときどき息をつけるのも好感が持てる。

演出もミュージカルが挿入されていたり光もきれいだったし
舞台に滝までつくってしまい生で見たら絶対に面白いと思う。
・・・見たい!!
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2007.10.14 19:54  | # [ 編集 ]













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