スワロが映画を見た

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あるスキャンダルの覚え書き

原題:NOTE ON A SCANDAL
製作年度:2006年
製作国:イギリス
上映時間:92分

監督:リチャード・エアー
製作指揮:レッドモンド・モリス
原作:ゾーイ・ヘラー
脚本:パトリック・マーバー
出演:ジュディ・ディンチ/ケイト・ブランシェット/ビル・ナイ/アンドリュー・シンプソン

story:
ロンドン郊外にあるセントジョージ総合中学校で歴史を教えるバーバラ(ディンチ)は厳格なベテラン教師。同僚からも疎まれている存在だ。ある日、学校の新しい方針で赴任してきた美術教師のシーバ(ブランシェット)は、受け持ちのクラスで騒動が起きて困惑していた。通りかかったバーバラは生徒を一喝し騒動を収拾する。そんなバーバラに親近感を覚えるシーバ。二人は急速に友情を深める・・・

あるスキャンダルの覚え書き 公式HP
感想:
『あるスキャンダルの覚え書き』・・・
およそ女が抱く負の感情のオンパレードだ。

定年間近の教師、バーバラ。
独身の上、教師仲間からは疎まれて友達などおらず公私共に孤独な生活を送っている。
新しく赴任してきた美術教師、シーバ。
ブルジョワ階級で育ったシーバは若くて美しく、夫も子どももいる。

一見正反対に見えるバーバラとシーバ。
しかし、この二人はそれぞれおかれた環境が異なるだけで中身は実に似ている。
二人が共通して抱えているもの・・・
大きな孤独感と自分自身を見失っていること、そして幼児性だろう。

クラスで騒動が起こり、バーバラに助け舟を出してもらったときから
シーバはバーバラに交友的になる。
そして、バーバラも彼女の家へ食事へ招かれたり
二人でパブに行ったり、
ちょっとしたことで談笑したり・・・
彼女たちの友情はまるでティーンエイジャーの友情のように
自分と相手の境界線を越えて必要以上に親しくしている。
お互いに孤独だったのだ。
引き合うものがあり、すぐに打ち解けられた。
お互いに親密になりすぎて、プライバシーに足を踏み込みすぎて、
二人ともども危機へ陥る。

最初に訪れた危機はシーバとスティーヴンの不倫である。
しかし、これはシーバにとっての危機ではなく、バーバラにとっての危機だ。
シーバが自分以上に親しくしている人ができたことによる“見捨てられ不安”。
頼られているという自負はもろくも崩れ去ろうとしていた。
バーバラはスティーヴンにシーバを取られるのではないかと嫉妬し不安になった。
だからシーバを繋ぎとめようと秘密を握ったことをいいことにいろいろ画策したのだ。

この作品は女性どうしの友情の怖さを描いた作品ではない。
確かに、女性の嫉妬や愛憎は深く怖い。
だが、この作品はそういったわかりきったことではなく、
現代人の自己と他者とのあいまいな境界線から成り立った人間関係の危うさを描いている。
この“自己と他者のあいまいな境界線”は決して珍しいことではない。
「隠し事なしに何でも話し合える友情」というのは実は見掛け倒しである。

この静かな作品で抜群の存在感を見せてくれたのはもちろんジュディ・ディンチ。
平凡な中年女性が、自分の心に潜むダークな部分に
徐々に自分自身が侵されてゆく様はさすがの演技力で見ごたえ十分。
ポーカーフェイスでつかみ所がないのに・・・
ないからだろうか、気づいたときに恐怖を感じる。
ケイト・ブランシェットも負けてはいない。
彼女の静かで穏やかな笑顔は、屈託のないシーバに非常にマッチしている。
立ち居振る舞いもきれいだ。

人間の感情に訴えかける恐怖。
人の優しさも疑いたくなるような気持ちにさせられてしまう。
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